聴こえない言葉が聴こえるようになる!?
今あなたはこの記事をスマートフォンでご覧でしょうか?
スマートフォンでご覧の方は「鏡花水月」のMVの最後の方をもう一度よく聴いてください!
というのも実はこの曲、とある仕掛けがしてあるんです。
曲の最後にかすれた弱弱しい「ねぇ」という声が入っています。
この声なんとスマートフォンのスピーカーで再生すると聴こえません。
そう、スマートフォンではイヤフォンで聴いたときにしか聴こえない仕掛けになっているんです!
まるでそれが幻であるかのような演出。
こんなところにも「鏡花水月」を感じさせる要素が盛り込まれていましたね。
PCでご覧の方も、是非スマートフォンのスピーカーとイヤフォンで聴き比べてみてくださいね!
まだ忘れぬ君…「鏡花水月」の歌詞を独自解釈
「夢花火」の続編として作られた「鏡花水月」。
「夢花火」では、主人公の想いを寄せる彼女は恐らく亡くなっています。
「鏡花水月」はそんな彼女の死から月日が経った今の主人公の気持ちを描くものです。
ここからはその歌詞を一部抜粋して筆者なりに読み解いていきます。
一つの解釈として役立てていただければ幸いです。
夏の日の思い出
「はぐれないように」とつぶやいて
僕の裾をつかんだ
静けさがずっと続いたような
あの夏空の下
出典: 鏡花水月/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
まずは1番Aメロから見ていきましょう。
主人公は彼女と過ごしたある夏の日を思い出しています。
花火大会とか夏祭りの人混みってすごいですよね。
そんな人混みの中、「はぐれないように」と裾をつかんで来た彼女。
なんとも愛らしい光景です。
彼女のことを想っていた主人公は、裾から伝わってくるその感触をどれだけ愛おしく思ったことでしょうか。
五月闇が開けて
瞳の映写機の中
走り寄る 君の愛おしさ
もう 戻れない
出典: 鏡花水月/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
ここから1番のBメロ部分ですね。
「五月闇(さつきやみ)」とは梅雨の時期の夜の薄暗さを表す言葉です。
こういう雅な日本語を入れているところも楽曲の雰囲気の演出に一役買っていますね。
そして梅雨を明ければいよいよ夏。
そう、主人公が振り返っていたのは夏の日の思い出でしたね。
月日が経った今も焼き付いている、彼女がこちらに駆け寄ってくる姿。
でもそれはただの記憶でしかありません。
見えているのに触れられないそれが、もうあの頃には戻れないことを物語ります。
まだ彼女の死を引きずったまま?
時が夜を連れて
君と見ていた空を
暗く染め上げる
空葬い 明日の先に
ねぇ まだ君はいますか
出典: 鏡花水月/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
ここから1番のサビです。
2人見上げていた空が次第に暗くなっていく様子を表現しています。
ここで出てくる「空葬い」という言葉。
これは遺体が発見されないまま行われる葬儀を表すものです。
これはまだ彼女の死を信じられない主人公の気持ちを表しているのではないでしょうか。
きっとまだ彼女は生きていて、この先でまた巡り会えるのではないかと思っている主人公。
月日が経った今も主人公の気持ちは変わらず彼女の死を引きずったままなのでしょうか。
花火とともに消えてしまった恋
飽きるまで見ていた
君と見ていた
空は何処まで続くの
続かないのは花火の音や
そう 二人の恋
出典: 鏡花水月/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ
2番も彼女と過ごした夏の回想が続きます。
少し飛びますが2番のサビから見ていきましょう。
ここでは果てのない空を2人で眺めていた様子が描かれています。
空って1人だとそんなに長く眺めていられないと思うんですが、好きな人と見るとまた趣が違うんですかね。
そんな空の果てのなさと、終わってしまった2人の恋が掛けられています。
2人の恋は花火の音が消えていくのと一緒に消えていってしまったんですね。
もう触れることはできない
今は
触れないものや忘れたものを
ひとつ ふたつ 数えてく
水に映る月の色とか
あの細い指先とか
夢のまにまに
出典: 鏡花水月/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ